2007年3月7日水曜日

TCP/IPプラットフォームを懐疑する 4 (複雑怪奇ってステキ?)

IPネットワークの汎用性の高さは煩雑な手続きを土台として成り立っていると言ったら反論されてしまうだろうか?
TDMとパケット通信の最大の違いは、通信経路確立までの手続き方法にある。TDMは通信開始前にエンドポイントまでのすべての経路が確立するよう手続きを行い、一度確立された経路は常に占有され、通信完了の指示があるまで基本的に変更されることは無い。後はそこにデータを流し込んでいくだけだ。通信中は時間スイッチと空間スイッチが定められた動作を行うものの、特に手続きを必要としない。一方パケット通信は小分けされたデータの各々のヘッダー情報を元に通信経路の確定やインフラ機器の差異を吸収する。言い換えれば、一つ一つのパケットがインフラデバイス間を通るたびに毎回毎回手続きを踏む必要があるという事だ。だからこそ、さまざまな種類のデータを限られた回線リソースでやり取りできるわけだが、そこに即時性の高い高密度な情報が流されることなどないと想定したからこそのデザインであるとも言える。

ほんの数年でネットワークの帯域は信じられないほど拡大され、無圧縮の音声帯域64Kなど取るに足らないほど小さく見えるようになった。L2 スイッチはすっかり珍しい存在ではなくなり、むしろバカHUBを探し出すほうが難しくなったし、ルーターの処理能力も格段にアップした。それでも足りなければL3 スイッチを使ってもいい。遅延のボトルネックを解消するために様々なプロトコルも考案された・・・

それって・・・効率の悪さをCPUパワーでゴリ押ししてるだけ? ぶっとい帯域を確保して、デバイスの高性能化頼みで、それでも足りないと新しいプロトコルを考案して、そこまでしてようやく現時点の所まできたわけだ。これをどう評価するか、また一つIPネットワークの汎用性が高まってよかったよかった、なのか、はたまた、スマートじゃねーなー、なのか。