2007年3月7日水曜日

利用者に求められるスキルについて

最新のものであろうと枯れたアーキテクチャであろうと、あらゆるデバイスはその利用者にある程度のスキルを求めるのは当然だ。黒電話だって何も知らない人は受話器を上げて特定の番号をダイヤルすればいいと直感で気づけるものじゃない。
では、下記の記事のような事例ならばどうなのか。

利用者にスキルを求める?“ひかり電話”
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20070305/263856/

ルーターのファームをアップグレードする程度の知識はユーザーに求められて当然と言えるのか言えないのか、私には分からない。だが総じてPCやネットのユーザーは、電話やテレビなどの専用機を利用する場合よりも高いスキルを求められる傾向にある、というよりも、高いスキルがあればあるほど快適に使用できるように作られている、と言っていいかもしれない。「できる!電話機」なんて本を書店で見たことが無いのは当然のことだ。「できない!」人が居るからこそ、「できる!」ようになるためのスキルを学ばなければならないのだから。
それが”電話”であっても例外ではない。専用機を使用せず、PCやネットを介してその機能をしようする場合、それ相応の知識が求められることは覚悟しなければならないだろう。むしろここで私が問題としたいのは、ユーザーに高いスキルを求めるようなインフラがデフォルトになることの是非である。

もちろん、そのような煩わしさを何らかの仕組みやソフトの改良によって改善することは可能だし、将来的にもそのような方向性で進んでいるのも確かなことだ。10年20年前のPCやネットの環境と今日を見比べてみれば、ユーザーに求められる知識量は格段に減っている。それによって geek でない一般人ユーザーの流入、市場の拡大という好循環を生んだことは間違いない。しかし、そのためのソフト・ハードの開発や改良に私たちは莫大なコストを支払っているんですよって事も十分考慮する必要がある。

そんなコストを支払いつつ、それでもなお高いスキルを要求するシステムは(コンシューマ市場にとって)是ですか?非ですか?