2007年5月11日金曜日

今更だがjajahの定点観測をしてみる

電話会社による通話料ビジネスがいずれ終焉を迎える事になるのは最近のトレンドから考えると避けられないように見える。通話品質や接続性への保証を担保とする通話料や回線料を取り続けるビジネスも最終的にはなくなるのかも知れない。だが、その先にある懸念としてわたしが感じるのは、いったい誰がこの膨大な音声通話用のバックボーンを支えるのかという点と、従来のアナログ/デジタル回線のインターフェースに準拠して作られてきた機器がゴミくずになるかもしれないという2点だ。
ネットで処理すれば無料という感覚はその影で稼動するシステムへの無理解から来ているのではないだろうか? それが電話であろうとネットであろうと、コミュニケーションシステムを支えるインフラに莫大な費用がかさむ事に変わりは無いのだ。もちろん、技術の進歩によってコストの大幅な圧縮はなされるだろうし、パケット通信はTDMよりも回線効率を高めやすいとしても、それによって基地局の設置やケーブル敷設の土木工事まで無くしてしまえるわけではない。通話料で回収できなくなった分は他に回すしかない。それが出来ないとなればインフラが崩壊してあらゆるサービスが止まらざるを得なくなるからだ。
JajahであろうとSkypeであろうと、その他雨後の竹の子のように出てきたあらゆるWebやインターネットベースの音声・映像コミュニケーションツールは、ネット回線というインフラの安さに寄って立っているに過ぎない。バックボーンがトラフィックの急増に耐えかねてそのコストを上げたり、固有のパケットに従量制課金を適用するなどすれば、そこで競争力を失ってしまうことは無いのだろうか?

従来のインターフェースが廃れてしまって困るのはメーカー側の視点でしかないが、こちらとしては困った問題でもあるし、ある種のチャンスでもある。次世代インターフェースのスタンダードを確保する競争が激化するかもしれない。
今は小回りの利くベンチャー系の企業が次々と新しいサービスを繰り出しては市場をひっくり返してやろうと虎視眈々と狙っている状況だ。
毎度のことだがこの手の目新しいニュースの中に日本企業の名はサッパリ上がってこない。一抹の不安と寂しさをおぼえるのはわたしだけではないだろう。



http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070511/270646/
WebベースIP電話サービスのJAJAH,Intelなどから2000万ドルを調達

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070109/258267/
二極化が進む今こそ電話サービスが面白い

http://www.jajah.com/
jajah

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20323627,00.htm
「競合はSkypeでもキャリアでもない」--創業者が語る次世代VoIP「JAJAH」