2007年5月21日月曜日

ガートナー: IT投資動向報告書2007年 -日本と世界-

http://japan.cnet.com/research/column/market/story/0,2000067181,20349062,00.htm
世界のIT投資マインドで日本は最下位、1位インド--ガートナー調べ

日本企業のITベタについては何を今更という感も無くはないが、こうも他国と比較されて最下位だと言われてしまうとむかっ腹も立つ。ガートナー自身がITコンサルなだけに、日本国内の危機感をあおってでもIT投資の活性化を図ろうとしているんじゃないかとか、そんなのは100%邪推です。

http://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20070308-01.pdf
彼らの掲げた7つの指標のうち、IT投資の増加率とIT予算の対年商比率で高いポイントが出せるのは当然IT後進国であって、すでにIT化の行き届いた国と、まだまだこれからの国とでは投資比率が大きく異なるのは間違いない。アメリカが8位という結果を見てもそれは明らかだろう。ただし、それだけでは日本の総合得点ブッチギリのビリッケツぶりは説明不能だ。問題はITの重要性を理解する経営者の不在に尽きると私は考えている。

きちんと機能しているCIOのいる日本企業がいったいどれだけあるだろうか? ITの重要性まで言わずとも、ITによって何を実現させたいのか、その明確なビジョンを描こうとする経営者がどれだけいるだろうか? ビジョンを描こうとすらしない経営者に攻めや守りのIT投資の何たるかが語れるはずがない。 新規技術への投資はメーカーの中ではある程度行なわれているだろうが、ビジネス側がそういった新しいテクノロジーを積極的に採用するとも思えない。 ITで何を実現したいのか明確でなければ他に先んじて新しいテクノロジーを導入する動機など生まれるはずも無いのだ。

何も難しいことを言っているわけではない。今や、PCやネットワークをまったく使ってない企業の方が珍しいだろうし、社員数4,5人程度であっても簡易なPBXを使っている企業も多いはずだ。携帯電話だって使っているかもしれない。 必要なのはそれらを精査することだ。それらを使って今どんな作業をしているのか、またそれらを使わずにどんな作業をしているのか、そしてそれはキチンと効率化されているのかどうか、しっかり見つめなおすべだし、それを評価できるような人材を雇用するなり育てるべきなのだ。そして、ある程度以上の規模を持つ企業ならばCIOを積極的に設置することでIT化と経営の親和性を格段に上げることもできるはずだ。

今、日本市場の中で行なわれているITへの投資の仕方、IT設備の使い方や刷新の仕方があまりにもヘボだからこういうレポート結果が出ているという事を肝に銘じてもらいたい。そして、そんなヘボな投資を繰り返したって日本経済は世界の中で大きな位置を占めてきたし、今でも占めているんだという自負心を取り戻してもらいたいと思う。わたしたちが情報化のうまい使い手になった時、どれだけ日本経済は強くなってしまうのだろうかと、そんな楽観的な希望を感じる反面、日本人は頑固だからそうそう変われないよね、しゃーねーなーとも感じるのだ。