2007年4月4日水曜日

ユニファイド・コミュニケーション・システム VS 専用機 その1

ユニファイド・コミュニケーションを謳ったシステムがもてはやされているのは業務の効率化ウンヌンよりもメーカーやベンダーのマーケティングによるところが大きいのではないかという穿った見方はさておき、どちらも一長一短、プライオリティーを何処に置くかによって見方はかわるだろう。 トレンドとしては、ただの電話機やファクシミリよりもユニファイドなんちゃらの方が稟議書の見栄えがいいことは間違いない。しかし、あらゆるコミュニケーションデバイスを統合することで得られるメリットとは何か、改めて考えてみると思ったほど多くないというのが私の感想だ。

ユニファイド・コミュニケーションとは?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070205/260648/

・ 各種設定をPCから一元管理できる
・ アドレス帳などのデータを様々なコミュニケーションデバイス間で共有できる
・ 様々なインフラやデバイスを超えてコミュニケーションを成立できる(例えばオフィスに電話がかかってきたことが携帯メールに通知されるとか)
・ オフィスのデスクにあるPCや電話などの環境を、log on / off して自宅の書斎に再現させる。(セキュリティー上の難しさはあっても、技術的には十分可能だ)

上記の記事を読んでもらえば分かるとは思うが、「将来的にはこんな事が出来るかもね」という期待感はあっても現状可能な部分については面白味に欠けるようだ。唯一、在宅ワーカーの環境を劇的に改善させられる可能性には期待したい。この変化は働き方の選択肢を増やすというだけではなく、都市や地域のあり方、人口分布にまで劇的な変化を起させる可能性を秘めている。ただし、日本人の心性という大きな障害が取り払われるならば、という前提付きで考える必要もある。コミュニケーションツールの使われ方はその国や民族の「他者との関わり方」の風習に依存するというのは私の持論だが、日本人はTelecommunication、すなわち遠隔通信によるコミュニケーションを極めて苦手とする民族ではないかと思う。外資も含めて様々な企業でテレコム製品を扱ってきた一エンジニアとしての私見だ。コミュニケーションツールだけを媒介にして、はたして良い仕事のできる良いチームを作れるのかどうか・・・