2007年2月27日火曜日

TCP/IPプラットフォームを懐疑する 2 (TDM vs Packet?)

音声通信のIPへの統合はすでに規定路線となって久しいが、それは本当にベストソリューションなのだろうか? NGN・・・って持ち出そうにも情報収集もしてないし、正直言ってあまり興味が無い。そもそもNTTのやることなんて、マルチメディア通信とか、B-ISDN構想とか持ち出すまでもなくコケまくり、などと悪口の一つも言いたくなってしまうのがその一因だろう。
それはさて置き、
IP網に限らず、すべてのパケット通信はデータ通信を効率的に行うために生まれた。少なくともパケット通信がサービスを開始した当時、データ通信のトラフィックは比較的少なく、コンピュータも非力だった為、TDMの回線を使用することは非常に効率が悪く、コスト高だった。そのころのデータ通信といえば、バッチ処理などで生じたデータをちょっと送るだけというのが主流で、また即時性も多くは求められなかったように思う。そんな牧歌的な時代にパケット通信は生まれたのだ。(本当か?) 情報をその都度適宜な大きさに分割し、個々のヘッダーを元に送り先へ届けるという概念そのものは、現在のIP網にそのまま受け継がれている。TDMの場合、万が一途中の情報がノイズなどによって壊されてしまっても、それを修復する手続きはチェックビット程度しかないが、パケット通信の場合、即時性に劣る代わりにヘッダー情報を元にした手続きによって漏れなくデータを送り先に届けることができるメリットがある。その反面、TDMには即時性と、多量のデータをすばやく送り届ける能力でパケット通信をはるかに凌駕していた。そのような平和な住み分けを突き崩し無効化したのはテクノロジーの急速な進化だった。
パケット通信を実現させるデバイスの高速化やインテリジェンスの向上によって、TDMのアドバンテージは下がる一方だ。そして、標準化団体によるプロトコルの制定がメーカーの開発スピードをさらに加速させていく。TDMの場合、個々のメーカー内で基本的なプロトコルの制定も独自に行われてきた、それはTDMが本来持つ機構上の性質のためと言っていいだろう。他社製品との相互接続性を考慮すること自体TDMにとっては想定外なのだ。結果として、その開発にかかる費用面でもスピードの面でもパケット通信勢に太刀打ちできなくなってしまった。